夢なら覚めないで。
ふとんにくるまって、素晴らしい夢の続編を見たくて、しっかりと目をとじていたのだけど、お腹が空いているのが気になって(ぐぅ……)、ふたたび眠ることに集中できなくて、泣く泣くベッドから起きてきた。もう空腹のやつめ。お湯を沸かしインスタントコーヒーをつくり、パンの上にチーズを乗せてトースターで焼く。さぁ、朝食だ。と、電話が鳴る。え?朝から誰?「おれ、です。昨日はライブに来てくれてありがとう」「あ…握手してもらえて嬉しかったです!」「今日、ブランチでもどうかな、って思って」「喜んで!」「仕事は大丈夫なの?」「休みます!!」奇跡だ。電話をきって、思わずほっぺたをつねる。こういう仕草、ドラマで見たことあるけど、私もやるんだ。妙に客観的に感動している自分がいる。ぐぅ、ぐぅ、ぐぅ。私のお腹がまた鳴りはじめた。 [語り:ケータイの目覚ましアラームは、その後45分間も鳴り続けたのであった。ぐぅ、ぐぅ、ぐぅ…]
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。