7293番地の角を曲がったら。
まっすぐに歩いていくつもりが、次の角を曲がってみたくなる。このまままっすぐ行けば、安心な場所に到着するはずなのに、どうしてもあの角を曲がってみたくなる。こころが身体に勝って、7293番地の角を曲がってしまった。
まるで見たことのないセカイ。胸の真ん中あたりがドクドク波打つ。自分の居場所なんてどこにも見当たらない。すべての感覚が立ち上がってくる。ヒリヒリと痛みを感じつつも、この体験が自分に必要であることだけはわかった。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。