
春のフライング。
ヒカリの粒がまとわりついて離れない。走っても、飛んでも、キラキラとじゃれあってくる。よーく見るとヒカリの粒はパラシュートを背負ってる。どうやら天からゆっくりと降りてきたそうだ。(春の練習をしにきたらしい)ちょっとフライングだけど、このままヒカリと一緒に広い場所へ遊びにいこう。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。
ヒカリの粒がまとわりついて離れない。走っても、飛んでも、キラキラとじゃれあってくる。よーく見るとヒカリの粒はパラシュートを背負ってる。どうやら天からゆっくりと降りてきたそうだ。(春の練習をしにきたらしい)ちょっとフライングだけど、このままヒカリと一緒に広い場所へ遊びにいこう。
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ねこが歩いてると、いぬが「どこ行くんだい?」と声をかけた。ねこは「ただ歩いてるだけだよ」と答えた。「それは散歩というんだよ」といぬ。「いや、散歩じゃない。ただ歩く、ということに集中してるんだ」とねこ。そして付け加えた。「歩く、ということをキミは噛み締めたことがあるかい?」「・・・」いぬは帰ってから哲学書をひらかねばと思った。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。
ぼくは思いっきり地球を蹴る。天と地がひっくり返る風景が見たくて、ひとりで逆上がりに挑戦している。足はてっぺんまで上がるのに、どうしてもグルリンとまわることができない。もういっかい。もういっかい。北風が吹くたびに、大きな木々がいっせいに揺れる。くやしい。くやしい。誰もいない公園は、涙を笑う者もいない。かじかんだ手のひらは、ツーンと鉄の匂いがした。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。
うさぎにしようかしら。オットセイもかわいいよね。にぎやかな声が響くここは、雲をこしらえるアトリエです。雲のエプロンをした雲職人たちは、せっせと雲の生き物を創作ちゅう。さぁ飛ばしましょう!ふわんふわんふわ〜ん♩ところで今日の大空劇場は見てくれましたか。怪獣とネコの対決でしたよね。(ネコが勝ちました)彼女たちの作品ですよ。
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ふわっと映像が浮かんで、
こころが6.6グラム(当社比)軽くなる。
ワンシチュエーションでつづる、
シラスアキコのショートストーリー。
自分がジブンにしっくりくる感じの時は、気分がいい。
こころと身体が同じ歩幅で歩いているのがわかる。
いつもこんな感じで生きていきたい。
でも、かなりの確率でイライラと聞こえてくる
「お急ぎのところ、電車が遅れて申し訳ございません」。
そんな時は“ここじゃないどこか”に、
ジブンをリリースしてしまおう。
きっと気持ちの針が、真ん中くらいに戻ってくるから。
広告代理店でコピーライターとしてのキャリアを積んだ後、クリエイティブユニット「color/カラー」を結成。プロダクトデザインの企画、広告のコピーライティング、Webムービーの脚本など、幅広く活動。著書に「レモンエアライン」がある。東京在住。
color / www.color-81.com
レモンエアライン / lemonairline.com
contact / akiko@color-81.com
◎なぜショートストーリーなのか
日常のワンシチュエーションを切り抜く。そこには感覚的なうま味が潜んでいる。うま味の粒をひとつひとつ拾い上げ文章化すると、不思議な化学反応が生まれる。新たな魅力が浮き上がってくる。それらをたった数行のショートストーリーでおさめることに、私は夢中になる。
イラストレーション
山口洋佑 / yosukeyamaguchi423.tumblr.com