細胞は裏切らない。
「うまくいかない」のくやしさは、細胞が覚えている。「まだここにいる」の焦りも、細胞が覚えている。その細胞たちはいまこの瞬間も、総動員でじぶんをささえている、盛り立てている。なのに「ここだ!」というチャンスがきたら、細胞たちは姿をかくす。くやしさなんて、焦りなんて、もうどうでもいい“集中力の塊”にするために姿をかくす。あたらしい景色が見えてきたら、細胞たちはゆっくりと戻ってくる。違う顔をして戻ってくる。また一緒に歩きだす。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。