ミッドナイトモーニング。
落ちに落ちたとき、絶望の一番底にいたとき。まさか、数ミリ先にヒカリが待っているなんて、思うはずもなく。特殊なブザーが聞こえない限り、真っ暗な液体に飲み込まれていくのだと。重くて、トロリと、深い、闇。それでも息だけは、する。息だけは、する。と、ちいさな風が吹いてきて、ちいさな風景が見えてきて。ものごとはずっと続かないのだ、ということに気づく。いいことも、よくないことも、ずっと続かないことを知らされる。細胞だって、いま、新しいものがうまれた。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。