
じぶんに素潜り。
ずっと透明な上澄み液の中を泳いでいた。波風立たせないように、そっとそっと。ずっと下の方には黒い泥や、でこぼこの石やらが沈んでることも知りつつ。たまに気持ちが揺れると、濁った水があらわれて、あたふた。でも見て見ぬふりは、もう限界。ぐるぐるに掻き回してしまえ。ホントのホントを見てやるんだ。泥も石も混じったカフェオレ色の海、これがじぶんの海。面白くなってきた。海の底まで潜っていくと、上澄み液よりもさらに澄みきった世界が見えてきた。ホントのホントも、悪くない。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。