風のひと
そのひとの背中は、なぁんにも背負ってないように見えるんだ/いま、いま、いま、だけを生きている/過去も未来もなくてさ/そのひとはいつだって「ひょい」と現れるんだ/手ぶらでね/すこしおどろいたような顔してね/愛想笑いなんて見たことない/自分の重さを発見したら/そのひとのことを思い出す/かるーく、かるーく、かろやかに/ふわふわの肉まん食べようか/裏通りを歩きながら/そのひとのこと思い出しながら/かるーく、かるーく、食べようか
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。