わたしの魅力をあなたは知らない。
起きぬけのわたしは、バサバサの髪の毛にねじれたパジャマ。目はあいていないし、まっすぐに歩けないし。イキモノとしてもっとも弱々しい姿を、あなたに見せたい。(好きにさせる自信アリ)
ダッシュで走るわたしがあなたにボン!とぶつかって「キャッ!」と驚いた顔なんてしてみたい。そんなシチュエーションなんてないけれど。はずみがつくと素直な自分になれるのに。
どうしてあなたの前に出ると、キュッとこころも表情も縮まるの。黒いマスカラもとがったヒールも、ほんとはいらない。あなたはわたしの魅力を、世界で一番知りません。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。