TVドーナツ。
ここはうさぎスーパー。あらいぐま坊やはママにせがんでいます。「TVドーナツ買ってえぇぇぇ」「こんなのムシャムシャ食べたら虫歯になります」あらいぐまママきいてくれません。「TV観ながら食べたらすぐに太りそう〜」やぎの女子高校生たちは盛り上がっています。うさぎ店長はコホンと咳払いをしていいました。「確かにTVを観ながら食べるドーナツです。ただしパッケージの文字を読んでみてください」袋には“ホラー映画用”と書いてありました。フランケンシュタインのイラストも小さく載っていました。「怖いシーンの時に、このドーナツの穴からTV画面をのぞくのです。ホラー映画が苦手なかたでも、最後まで観ることができます。そのための穴なのです」あらいぐまママもやぎの女子高校生たちも、このTVドーナツがとても魅力的におもいはじめました。”ドーナツが美味しいのはあたりまえ。もうひとつプラスの価値をつけるのだ。”うさぎ店長の商売ノートにはそうしたためられていました。うさぎ店長は商売のコツを知っていました。
*「電車は遅れておりますが」は毎週火曜日に更新しています。