おはよう、せかい。
深爪してしまった指先で、こころのカーテンをそっとあける。
朝はふんわりとできあがっていた。地球は正常に運転しているらしかった。
「おはよう」と言ってみた。「おはよう」と跳ね返してきた。
じぶんに風を入れてみた。身体じゅうを駆けめぐって出ていった。
青空を吸い込んでみた。すべての細胞が目を閉じて味わっている。
これまでのじぶんの常識を、消去。
こころの空きスペースはたっぷりある。
今日わたしはデビューした。
*おかげさまで「電車は遅れておりますが」は、今日で100回目のストーリーになりました。
日常のなかのはみだした数分間、一緒に旅をしていただきありがとうございます!
これからも、ここじゃないどこかに、ひょいとトリップ。
出張先のミラノより。
シラスアキコ
「電車はおくれておりますが」は毎週火曜日に更新しています。